2006年12月20日 (水)
ツキノワグマ
月曜日のヤフーニュースでツキノワグマの捕獲数の9割(4250頭)が今年殺処分になった記事を読みました。
こんなに殺しているのかとその数の多さにビックリしましたが、こういう有害動物の駆除のニュースを聞くたびに思うのは、なぜ殺さず山奥に運んで放さないのだろうか?ということ。
そのために経費が掛かるのはわかりますが、必要もない道路をバンバン作るお金や、意味のないやらせのタウンミーティングに掛けるお金など、無駄遣いしている税金があるのなら、そっちにまわせばいいのにと単純に思ってしまいます。
今年殺されたツキノワグマの数は推定生息数の3?5割! 専門家の中には、このままの勢いで殺し続けていけば絶滅の恐れもあるという意見もあるそうです。
電車の中で、地方の温泉付住宅などの大々的な広告を見るたびに思います。 その広大な敷地のためにどれだけの山が削られ、森の木が切られ、そこに住んでいた生き物が住処を失くして追いやられたのだろうと。
地球は人間だけのためにあるのではなく、全ての生き物のためにあるはず。 なのに人間の欲望は尽きることがなく、利益を得るためなら平気で彼らの居場所を奪う。 熊が人里に下りてくるのは、人間が原因を作っているかもしれないのに容赦なく殺す。
以前読んだナチュラリストの本の中で、自然環境が失われていく速度の例え話が出ていました。
「大きな湖に浮き草が一つあります。 この浮き草は1日毎に倍に増えていきます。 一日目は1つ、二日目は2つ、三日目は4つ。 さて、この湖が浮き草で半分埋まった時、次の日は?」
まだ大丈夫なんて安心していると、あっという間に環境は失われていく。 ツキノワグマが絶滅してから、トキが絶滅した時のように「もっと対処しておけばよかった」などということにならないで欲しいものです。
(箕輪)