ガラス

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2005年7月13日 (水)

ガラス

7月から8月は色々なデパートやギャラリーでガラスの展覧会が催されます

素材が透明で涼しげな食器類は見ているだけで夏を感じますね

グラスとして使えば氷の音も軽やかに聞こえ、食器として使えば盛ってある料理や水菓子がさわやかに見えたりします

そんな夏の涼を演出するガラスですが、実際作っている現場というのはすごいものです

学生時代、ガラス工芸を学んでいたのでおのずと就職先もガラス会社となり、そこのショールーム兼ギャラリーに6年ほどおりました

そこは東京の下町にある会社でガラス製品を製造する工場でした

戦後、映画館だった建物を移築して建てられた木造の工場で、こんなところがまだ東京にあるのかと思うほど年代を感じさせる建物で、大風で屋根が飛んだりするような、かなりスリリングなところでした

工場といっても、ここでは全て職人さんが一つずつ型に沿わせて吹く、型吹きという技法でグラスを作っており、連帯窯という一つの窯のまわりを職人さんが丸く取り囲むようにして吹いています

窯の中のガラスは、ガラスを吹くための竿(吹き竿といいます)にガラスを巻き取った時にすぐ固まってしまわないようにトロトロの水あめ状態になっていて、最低でも1300度以上の温度がキープされています

そんな高温のガラスが溶けている場所ですから夏は40度以上が当たり前、大きなグラスに入れた氷水をそばにおいて職人さんたちはそれを飲みながらTシャツに長ズボンでひたすらガラスを吹き続けます(半ズボンだと熱いガラスがはねたり、間違って当たってしまった時やけどをするので厳禁です)

全て分業になっていて、吹き竿にガラスを巻き取る職人さん→それをもらって型吹きする職人さん→吹き終わったガラスを運ぶ職人さん→冷めたガラスを選別して商品にならない物をはじく職人さん

ここまではガラスが吹き竿から落としただけのカタチなので、グラスの飲み口の部分がまだまっすぐになっていません

そこでこの口の部分にダイヤモンドのカッターで傷をつけ、バーナーの火をそこに当てて切る火切りの職人さん→切った口を砂を使って平らにする平磨りの職人さん→その口に火を当てて溶かしなめらかにする職人さん

一つのグラスが出来上がるまでにこれだけの工程がなされます

時間にすると1時間半くらいでしょうか

他にも窯の温度管理やガラスの原料の管理を24時間する窯炊きさんという職人さんもいます

文章だけでは分かりづらい方はこちら↓のWeb工場見学をご覧下さい

          http://www.stglass.co.jp/index.htm    

見た目が涼しげなガラスですが、こんな風に職人さん達が作っていることを知っておくと家にあるグラスを見る目もちょっと変わるかもしれませんね

                                          (箕輪)

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